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交通事故

後遺障害

交通事故で傷害を負った場合、治療すれば完治するとは限りません。

事故による症状が残存しているにもかかわらず、もはや治療を継続しても症状の改善が見込まれないこともあります。
このように、これ以上治療を継続しても、症状の改善が見込めないと判断されると「症状固定」となります。
そして、症状固定時に何らかの障害が残っていた場合、それが自賠責保険における基準に該当すれば、後遺障害等級が認定されます。

後遺障害等級

後遺障害等級・労働能力喪失率について

後遺障害等級・労働能力喪失率について

後遺障害等級は以下のように分類されています。
身体の解剖学的な区分に従って系列に分類され、その上で、身体の部位の機能、特徴によって、さらに系列が細分化されることになります。
そして、障害の軽重によって序列が分類されています。

後遺障害別等級表はこちら

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後遺障害の具体例

むちうち
いわゆるむちうち症とは、外傷性頚部症候群のことであり、診断書には、頚椎捻挫などと記載されます。
車両が後方から追突された場合、体が座席ごと前方に押し出されるのに対し、頭部は慣性の法則によりその場にとどまろうとします。そのため頚部が過伸展及び過屈曲を起こし、頚部や背部などに痛みが生じます。むちうち症は、追突で生じることが多いですが、必ずしも後方からの追突に限られず、出合い頭の衝突などでも生じることがあります。
症状固定後に神経症状が残存した場合は、12級13号もしくは14級9号の後遺障害等級が認定される可能性があります。
高次脳機能障害
脳外傷による高次脳機能障害とは、事故により脳外傷が発生し、認知機能などの脳の高次機能が障害を受けて、外傷の治療後も認知障害や人格変性等の症状が残存することによって、就労や生活が制限され、社会復帰が困難となる障害をいいます。
外見上は回復しているように見えることから、本人が後遺障害であることを意識していない場合もあります。
症状としては、記憶障害、遂行機能障害(計画的な行動ができない)、情動障害(性格の変化)などがあります。
私が担当したケースでも、温厚な性格だった方が、事故後に家族に暴力をふるうようになった、逆に活発で社交的だった方が無気力になったというケースがありました。また、自宅のすぐ近くで、自分のいる場所がわからなくなり、自宅に戻れなくなったという方もいらっしゃいました。
高次脳機能障害では、被害者のご家族の方から被害者の生活状況や性格の変化を詳細に聴取して、後遺障害を適切に評価し、賠償額に反映させる必要があります。
また、症状固定以後も、見守りや身体介助が必要な場合は、将来介護の必要性や相当性を主張立証して、介護費を損害額に加えることになります。
当事務所では、高次脳機能障害の被害者の方の救済に積極的に取り組んでおります。
醜状障害
外貌(頭部、顔面部、頚部など、上肢及び下肢以外で日常露出する部分)に醜状が残った場合は、その程度によって、7級12号、9級16号、12級14号の後遺障害等級が認定される可能性があります。
また、上肢または下肢の露出部分に醜状が残った場合には、14級4号もしくは5号の基準に該当すれば後遺障害等級が認定されます。
醜状障害の事案では、実務上、逸失利益が重要な争点となります。
外貌醜状の後遺障害は、可動域制限や麻痺等のように身体機能に影響がありません。そのため、労働能力喪失の有無や程度が大きく争われます。
被害者の性別、年齢、職業などを考慮して、被害者に生じた具体的な不利益を主張立証する必要があります。
下肢 股関節脱臼骨折
股関節脱臼骨折は、乗員が膝を曲げて助手席や運転席に座った状態で、車両が後方から衝撃を受けると、ダッシュボードに膝を強く打ち付け、大腿骨が股関節の関節包を突き破り、後方に押し上げられることによって生じます。
リハビリ治療を行っても、可動域制限の後遺障害が残存し、関節の機能障害として12級7号の後遺障害等級が認定されることが多いです。
下肢 ACL(前十字靭帯)損傷
ACL(前十字靭帯)は、大腿骨から脛骨に付着し、脛骨の前方への飛び出しやぐらつきを防止する役割を果たしています。交通事故の衝撃により、膝に強い外力が加わってACLが断裂すると、激痛を伴う関節内出血が生じます。
そして、慢性期になると、膝くずれ(giving way)現象が起こるようになり、硬性装具を装着しなければならない場合もあります。
交通事故の場合は、バイクの事故で生じることが多いです。バイクで停止中に後方から追突されて十字靭帯を損傷したという事案を扱ったことがありますが、被害者の方は日常生活上著しい不便を生じていました。
症状固定した場合、股関節の可動域制限の後遺障害が残存し、12級7号が認められる場合があります。

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損害の内容

後遺障害が残った場合、被害者が加害者に対して請求できる損害賠償の内容は、次のとおりです。

1.治療関係費
応急手当費、診察料、入院料、手術料、通院費、入院費、看護料、諸雑費、文書料などです。
2.休業損害
休業によって収入の減少があった場合に認められます。
給与所得者の場合は、事故前の収入を基礎として、受傷によって休業したことによる現実の収入減とされます。
3.入通院慰謝料
交通事故による傷害によって、入院又は通院したことによって認められる慰謝料です。ある程度の基準が確立しています。
そして、交通事故により後遺障害が残存した場合には、精神的損害と財産的損害を填補するため、後遺障害慰謝料、逸失利益という損害が認められます。
4.後遺障害慰謝料
交通事故による傷害が、治療によっても完治せず、後遺障害が残存した場合には、入通院慰謝料の他に、後遺障害慰謝料が別途認められます。
後遺傷害等級により金額が異なります。また、加害者に故意等の事情がある場合には、慰謝料の額が増額されることがあります。
5.逸失利益
後遺障害が残ったことにより、事故前の労働を行うことができなくなり、収入が減少したために失われた利益です。
後遺障害逸失利益は、以下の計算式で算出します。

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

(1)基礎収入
原則として、事故前の現実の収入を基礎とするが、将来、現実収入額以上の収入を得られる立証があれば、その金額が基礎収入となります。 給与所得者は、原則として事故前の収入を基礎として算出します。個人事業主は、事故前の申告所得額を基礎収入とします。
(2)労働能力喪失率
後遺障害等級別表記載の労働能力喪失率に従って定められます。
(3)労働能力喪失期間
労働能力喪失期間の始期は症状固定日、終期は原則として67歳とします。
6.弁護士費用
訴訟になった場合、認容額の10パーセント程度が交通事故と相当因果関係ある損害として賠償額に加算されるのが通常です。